「幼児教育・保育無償化」(2) 認可保育園・認定こども園の人気が高まる

幼児教育・保育無償化で、認可保育園・認定こども園の人気がますます高まります。
 小さい子どものいるファミリーには気になる「幼児教育・保育無償化」のニュース。

前回はチャートで全体を俯瞰してみました。
「認可保育園・認定こども園」や「障害児教育施設」を利用する家庭の保育料は完全に無料となっているものの、それ以外の家庭は上限額があると分かりました。今回は、この制度について少し考察してみたいと思います。

 連載 専業ママのリサーチコラム
(2児のママ[4歳(幼稚園)&1歳]38才 国立大卒 -> 渡仏 -> 帰国 -> 総合職 -> 主婦・自営業)

(1)実施される内容
(2)認可保育園・認定こども園への人気がますます高まる
(3)幼稚園と、隠れ待機児童
(4)認可外保育園と、無償化のねらい
(5)少子化解消のフランス「大学まですべて無償」
(6)手続きについて

1、認可園にますます人気が集中する

 「認可保育園」や「認定こども園」は大変人気があり、なかなか入ることができず待機児童となっている子供も多い・・・と、以前から話題になっています。

 保育園の激戦区で「保活(保育園探しの活動)」に勝ち残って「認可園」に入るのは狭き門です。これからは、その戦いで勝利した家庭が「無償化」の恩恵までも100%受けられるのですから・・・。今後は、ますます保活が白熱しそうです。(※1)

 条件が不利な人たちにとってはあまりありがたくない改革となるかもしれません。

 これからは、「保活」での条件が有利な家庭ほど、ますます手厚い支援が受けられる仕組みになりそうです。

(※1 障害児教育施設利用者も全額無償化)

2、保活で条件が有利な家庭とは?

 認可園に入りやすい家庭とは、一般的にどんな家庭なのでしょうか。保育園への申し込み者には条件に応じて点数が加算されます。

 点数がより高い条件とは何でしょうか? - 例)東京都世田谷区の場合

利用基準指数が50(最大)のもの

・週5日以上勤務し、かつ、週40時間以上の就労を常態
・入院1ヶ月以上
・障害者手帳所持
・重度障害者等の全介護
・介護、週5日以上、かつ、週30時間以上の付き添い
・災害などによる家屋の損傷、その他災害復旧
・死亡、離婚、行方不明、拘禁、離婚を前提とした別居等
・就学・技能習得等のため、保育にあたることができない場合(週5日以上、かつ、週40時間以上)

※45以下の各条件については、「保育のごあんない」に一覧があります。
「平成31年度用 保育のごあんない」(東京都世田谷区)より

調整基準のうち、指数が+20(最大)のもの

・ひとり親世帯(同居親族がいない)または父母不存在
・育休取得により、利用調整の対象となる保育施設・事業を一時退園し、育休明けに再入園の場合
・認定こども園在園児で、認定区分が1号から2号に切り替わり、引き続き同じ認定こども園のみの利用を希望する場合
・年齢上限がある区内の保育所等(利用調整の対象となる保育施設・事業に限る)の最終年齢クラスを卒園し、引き続き区内の保育所等の利用を申込む場合(卒園後の受け入れ先が確保されている場合を除く)


※+10以下の各条件については、「保育のごあんない」に一覧があります。
「平成31年度用 保育のごあんない」(東京都世田谷区)より


 以上から、「フルタイムで勤務している場合」と、「正規の学生として就学などしている場合」を除いては、利用基準指数が50になるのは、病気や障害や介護などの困難な状況の場合のみです。

また、調整基準の最大指数+20は、ひとり親世帯を除いては、「これまでも利用していて引き続き利用したい人に有利」になるように定められています。

3、実際の保育料

これまで認可保育園では、世帯年収に応じて、月に2千円~8万円の保育料がかかってきました。
(こちらの情報サイトを参照させていただきました。)

 認可外保育園では年収に関係なく月に5万円~10万円以上がかかります。多くの家庭の場合、数万円の差額があるため、以前から認可園のほうが人気がありました。ただし、世帯年収が一定よりも高い場合は、認可園のほうが保育料が高くなる場合もあり、必ずしも認可園のほうが低額で望ましいというわけではありませんでした。

 これからは、認可園の保育料に世帯年収が関係なくなるので、これまで毎月5〜8万円を支払っていた高収入の家庭でも保育料が無料になります。一部の富裕層や教育方針にこだわりのある家庭を除いては、できれば認可保育園を利用したいと考えるのではないでしょうか。それに加えて、「認可保育園は自治体の基準を満たした施設なので安心できる」と言われています。
認可園に今よりももっと人気が集中するのは容易に想像ができます。

無償化の条件については(チャートで見る「幼児教育・保育無償化」)


 認可保育園は増設されていますので、将来的にはどんな家庭も、どんな働き方でも、希望すれば認可園に入れるようになる・・・と願いたいですね。
 

4、認可園に入れなくても

 これを読んで暗い気持ちになってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、自治体によっては認証保育園利用者への補助金の制度があります。

 実施されている区は、東京都世田谷区・杉並区・大田区などで、通常は平均的な世帯年収までの方が対象となります。東京都世田谷区の場合は、月々5000円〜40000円の補助金が出ていました。(2019年9月まで)
平均的な世帯年収の家庭の場合は少額ではありますが、助けになるかもしれません。
※2019年10月以降の助成額については、分かり次第追記させていただきます。

 中には教育内容を重視して、「保育が必要な家庭」であっても幼稚園に通わせる家庭もあります。また、待機児童が多くて保育園が足りない地域もまだまだあります。次回は、幼稚園を利用する家庭についても考察してみたいと思います。
 



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