「幼児教育・保育無償化」(4)認可外保育園の指導と、虐待の予防&懸念

認可外保育園と、無償化の目的について調べてみました。
「幼児教育・保育無償化」(4)認可外保育園の指導と、虐待の予防



 連載 専業ママのリサーチコラム
(2児のママ[4歳(幼稚園)&1歳]38才 国立大卒 -> 渡仏 -> 帰国 -> 総合職 -> 主婦・自営業)
(1)無償化で実施される内容
(2)認可保育園・認定こども園への人気がますます高まる
(3)幼稚園と、隠れ待機児童
(4)認可外保育園と、無償化のねらい&懸念
(5)少子化解消のフランス「大学まですべて無償」
(6)手続きについて


 ファミリー世帯には気になるニュース、「幼児教育の無償化」。前回までは、認可保育園と幼稚園について調べてみました。
今日は認可外保育園(認証保育園、無認可保育園など)について見て行きたいと思います。


1、認可外保育園の指導と、懸念事項


 認可外保育園は無償化の上限額が3.7万円です。公平性の観点から、認可保育所における【月額保育料の全国平均額 3.7万円】となりました。政府の報告書には「認可保育所に入れない人の受け皿になっており無償化の対象に含めるべき、夜間の保育を必要とするため認可外保育施設を利用せざるを得ない、との意見が多く聞かれた」とあり、やむを得ない事情が明らかです。「保育が必要な家庭」の場合は、当然、3歳児クラス以上は無償化の対象となっています。

 政府が「認可外保育園」も無償化の対象とするもう一つの目的は、【保育の質の確保・向上】です。「質」つまりは第一には「安全」です。国や自治体が指導監督を着実に実施できるような体制を整備したい、という政府の考えです。

 報告書には「5年間の経過措置として、(認可外保育施設が)指導監督の基準を満たしていない場合でも無償化の対象とする猶予期間を設ける」という注意事項があります。これはあくまで「認可保育園となることを目指している保育園」を将来的にも無償化の対象としたい、ということでしょう。認可外保育園や無認可保育施設を、すぐに認可保育園にすることは無理でも、より良質な施設にしていきたい考えです。
 この制度によって良い認可保育園が圧倒的な数に増えて、親たちの不公平感が減ってくれることを願うばかりです。


(2019年10月追記)

無償化の、懸念事項

 「5年間の経過措置」について、不安な面があります。
基準を満たしていない危険な「保育ビジネス」が乱立するのでは、という懸念です。
保育の質が低いままでも、「無償」であるがゆえに利用者を確保することができ、5年間の間にビジネスが軌道に乗ってしまうかもしれません。
 認可外保育園(特に、「認証保育園ではない、無認可の保育園」)の場合は、どのような団体が経営しているか、AEDなどが常備されているか、など、利用者は入念にチェックする必要があります。

 

2、虐待の防止〜「福祉」の視点


 「幼児教育・保育無償化」のねらいは「女性の就業促進」と「少子化対策」、そして「虐待の防止」だと考えられているようです。
(研究者の柴田悠氏の記事を参照させていただきました。)

 子供に無関心で、幼稚園にも保育園にも行かせない家庭があるのも忘れてはなりません。社会的・経済的に不利な家庭で、不適切な育児が行われてしまう場合があります。それらの家庭では、子供は健全に育つことができず、社会的にも健康面でも問題が生じることがあります。そういった家庭が減るように、無償化を徹底して虐待予防策とする面もあります。保育園への申し込みも、現在の制度では書類作成が複雑で、シングル家庭や生活保護家庭でない限りは利用に至らず、親の生活管理が出来ていない場合は申し込みに至らず、それ以前に保育所利用を思いついていない場合があります。
 
 保育所は、(保活激戦区では)正社員や公務員の子供に優先権がある特権的な場所になってしまい、もはや、本当の意味で「保育に欠ける・不健全な環境にある子供」の福祉対策にはなっていません。
 また、地域とのつながりが希薄な現代、孤立した子育てでの虐待防止のためにも、家庭の中に引きこもる親子を減らそうというのが、無償化のねらいでもあります。


3、さいごに 

 今日は無償化について、「認可外保育園の指導監督」「虐待の防止」という二つの「子育て環境のマイナス要素を減らす」視点から捉えてみました。これまで問題があったところに注意を向ける試みなのだと分かります。
(追記)また、危険な保育園の「保育の質の低下」について追記しました。

 次回は、「少子化対策」としての課題と、少子化を解消したフランスの教育制度について調べて見たいと思います。


 



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