「幼児教育・保育無償化」(5) 少子化解消のフランス「大学まですべて無償」

過去に少子化問題を解消したことのあるフランス。その制度を簡単に紹介します。

「幼児教育・保育無償化」(5) 少子化を乗り越えたフランス「大学まですべて無償化」

連載 専業ママのリサーチコラム
(2児のママ[4歳(幼稚園)&1歳]38才  国立大卒 -> 渡仏 -> 帰国 ->
総合職 -> 主婦・自営業)

(1)実施される内容
(2)認可保育園・認定こども園への人気がますます高まる
(3)幼稚園と、隠れ待機児童
(4)認可外保育園と、無償化のねらい
(5)少子化解消のフランス「大学まですべて無償」
(6)2019年9月の、無償化のための手続きについて調べました。


 ファミリー世帯には気になるニュース、「幼児教育・保育無償化」。
 今回は、前回述べた「無償化」のねらいについて、捕捉をしたいと思います。
 

1、「少子化対策」教育費用


 皆さんもご存知の通り、少子化対策については本当に効果があるのか不確実な部分が大きいようです。多くの人が「複数の子ども」を持つのを躊躇っている理由の一つとして、(研究者の柴田悠氏の記事を参照しました)「経済的な理由」があります。子供にかかるお金のうち、もっとも高額なのは「大学・専門学校などの高等教育」、そして進路によっては「塾・習い事などの費用」です。幼児教育は、最も安い公立幼稚園を探せば2年間「20万円未満」で済みますが、大学は最も安い国公立大学でも4年間で合計「約250万円」かかります。塾などを入れるとそれ以上です。私立理系学部や私立芸術系大学などでは、1人分の大学学費だけで数千万円かかることもあります。
 「幼児教育無償化」だけではなく「大学まで無償化」になれば、少子化の歯止めとなることが期待できそうです。
 私自身、子どもを育てる1人の親として「フランスのように幼稚園から大学までの学費が無償だったら、育児の不安が減るだろう」とずっと感じていました。


フランスの公立小学校

2、フランスの幼児教育


 少子化問題を解決した国・フランスでは、「公立の、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学」が無償です。国立大学の大学院博士課程に至っては、学生に給与が出ます。出生率は「1.87人」です。日本の出生率は「1.42人」ですから、その差は歴然としています。

 3歳から全ての子供が入る公立幼稚園は2019年秋(新学期)から「義務教育」となるそうです。授業は朝から夕方16時ごろまで。延長保育は夜18時ごろまであります。3歳以上が行く保育園はありません。
0〜2歳まで通う保育園は、希望者のみで自己負担です。
 「幼稚園から大学まで公立に通えば無料」(一部の富裕層の子供が通う私立校は除く)ということに加えて、「長時間保育で完全給食で全入」、「親が参加するPTAのようなものはない」など・・・子供を育てる負担が日本より少ない社会だと分かります。
 女性の就業促進と同時に少子化対策をするならば、フランスのシステムはとても合理的(「フランスの出生率はなぜ高いのか」内閣府による調査書)です。

 フランスが全てにおいて素晴らしい、と言いたいわけではありません。フランス社会には移民や難民が増え、学校でも宗教トラブルが発生。一部地域での治安は極端に悪化するなど、心配ごとはたくさんあります。また、幼稚園から「飛び級」や「留年」の制度があったり、小学校卒業まで「親の送り迎え」が義務付けられていたり、子どもの性格や家庭状況によっては、日本よりも親の負担となることがありそうです。

 フランスと日本。2国は全く状況が異なるのですが・・・幼稚園から「大学までの無償化」と、3歳から「全入・終日の幼稚園」など、フランスの制度には少子化問題解決のヒントが隠されているように思います。

フランスの小学校
フランスの公立小学校


3、最後に


 これまで5回にわたって2019年10月より実施される「幼児教育・保育無償化」についてのリサーチコラムをお送りしました。
 テレビやニュース記事などでは無償化に対する批判や不安の声を目にすることも多かったのですが、個人的には、無償化のおかげで「子育てへの不安や諦め」が少しは軽減するのではないかと期待しています。
 



(1)「無償化」実施される内容
(2)「認可保育園」「認定こども園」への人気がますます高まる。入園条件を詳しく書きました。
(3)「幼稚園」と隠れ待機児童
(4)「認可外保育園の指導」「虐待防止」などの無償化のもう一つのねらいを書きました。
(5) 少子化解消のフランス「大学まですべて無償」
(6) 2019年9月の、無償化のための手続きについて調べました。




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