親の介護で勤務時間を減らす前に|最低賃金改定の秋に考える家計とFP-UNIV活用術
FP-UNIV 活用術|介護と働き方
親の介護で、勤務時間を減らしたい。
家計の見通しから、一緒に考えてみませんか。
時給が上がる秋こそ、「働く時間」と「家族を支える支出」をセットで確認してみましょう。
「親の通院に付き添う日が増えた」「実家へ通うために、シフトを少し減らしたい」。仕事を続けたい気持ちと、家族を支えたい気持ち。その間で迷うとき、お金の話まで整理する余裕がないこともあります。
介護の形は、ご家族ごとに違います。同居か別居か、きょうだいと分担できるか、どのくらいの期間になりそうか。ひとつの平均額だけでは、ご自身の暮らしに合う答えは見つけにくいものです。
まずは、考えている働き方を数字に置き換えてみましょう。FP-UNIVでは、収入の変化と支出の予定をライフプランに入れ、月ごとのお金の流れを確認できます。親御さんを家族として登録し、指定した時期から親御さんの収入・支出もキャッシュフローに加えることができます。
今月のニュース:最低賃金の改定が進む秋
厚生労働省は2026年9月3日、令和8年度の地域別最低賃金の答申結果を公表しました。答申段階の全国加重平均は1,177円で、前年から56円の引き上げ。発効予定日は、10月1日から12月2日まで地域ごとに分かれています。厚生労働省の報道発表
10月7日時点の公式早見表では、東京都は10月1日から時給1,280円、青森県は10月29日から1,090円と案内されています。勤務先の地域と適用日を、厚生労働省の最低賃金早見表で確認できます。
ただし、最低賃金の改定によって、すべての方の時給が同じだけ上がるわけではありません。ご自身の給与条件は、勤務先の案内や雇用契約で確かめましょう。
時給が上がっても、働く時間を減らすと月の収入はどうなるか。ここが、介護と仕事の両立を考える際に見ておきたいポイントです。
具体例:時給が50円上がり、勤務時間を月20時間減らすと?
説明用に、次の条件で単純比較してみます。時給と勤務時間は最低賃金そのものや実際の相談事例ではなく、働き方の違いを考えるための例です。賞与や各種手当は含めていません。
| 条件 | 時給 | 月の勤務時間 | 月の給与・額面 |
|---|---|---|---|
| 変更前 | 1,300円 | 100時間 | 130,000円 |
| 時給上昇・時間は同じ | 1,350円 | 100時間 | 135,000円 |
| 時給上昇・時間を減らす | 1,350円 | 80時間 | 108,000円 |
時給が上がり、時間が同じなら、額面給与は月5,000円増えます。一方、月80時間に減らす場合は、変更前より月22,000円少なくなります。
さらに、ご自身が負担する実家への交通費や親への生活支援が月15,000円増えると、単純比較では月37,000円、6か月で222,000円の差になります。
この222,000円は、給与の額面差と追加支出を合計した算数の結果です。税金・社会保険料の変化を含む手取り差や、FP-UNIVで実行したシミュレーション結果ではありません。実際の家計への影響は、加入状況や家族の条件も設定して確認します。
FP-UNIVで確認する、5つの手順
1.今のプランを残し、比較用のプランを作る
入力済みの現状プランを確認し、利用できる契約プランではコピーを作成します。「勤務時間を維持する」「半年間だけ減らす」など、何を変えたプランか分かる名前にすると、相談の際も整理しやすくなります。
2.親御さんも、途中からキャッシュフローに加えられる
親御さんの年金や生活費も含めて家計を考えたい場合は、Q1「ご家族」の「家族を追加」→「その他」で親御さんを登録します。親御さんの行にある「世帯主と生計を一にする期間」→「期間を指定する」で、家計に含める時期を設定できます。
たとえば2027年4月から家計を一緒に考えるなら、その年月に対応する親御さんの年齢・月を設定します。期間を設定すると、その期間の親御さんに関連する収入・支出がキャッシュフローに算入されます。期間外は算入されないため、将来の介護や家計の合流を途中から織り込めます。
続いて、親御さんの年金はQ3「年金」、給与などがあればQ2「収入」、親御さんの生活費・介護関連の支出はQ4「生活費」などで、対象者と期間を確認して入力します。
説明用に、親御さんの年金が月14万円、生活費と介護関連の支出が月17万円なら、その2項目の単純な差は月3万円です。税金・社会保険料などを含めた実際の収支は、シミュレーションを実行して確認します。親御さんの個人別内訳と世帯全体の収支を見比べると、ご自身の減収とご家族の支出がどう重なるかを考えやすくなります。
別生計の親御さんへ支援するお金だけを、ご自身の支出として入れる方法もあります。親御さんをキャッシュフローに含める場合は、同じ介護費や生活費を親御さん側とご自身側で二重に入れないように確認しましょう。「生計を一にする期間」の設定と、税・社会保険上の扶養の条件は分けて確認します。
3.Q2「収入」で、変わる月と給与の額面を入れる
対象者の給与について、月額・賞与・期間を確認します。上の例なら、勤務時間を減らす期間の月額給与は108,000円です。時給と時間から計算した月額を、手取りではなく額面で入力します。
一時的に働く時間を減らすなら、該当する「期間」を設定し、必要に応じて「期間追加」を使って、その後の給与を分けて登録します。期間の重複や空白、賞与の変化も確認しましょう。特定の月からの時給改定は、その月からの給与に反映し、毎年の給与上昇率と取り違えないようにします。
4.支えるための費用を、期間に合わせて入れる
毎月負担する交通費・生活支援などはQ4「生活費」で、まとまった一時支出はQ8「ライフイベント」で整理します。誰が負担するお金か、いつからいつまでか、既存の生活費に含まれていないかを確認します。
親御さん自身が負担する介護費用と、ご自身の家計から出すお金は分けて考えます。支援額だけを確認したいのか、親御さんも含む家族全体の収支を確認したいのか、目的に合わせて入力する範囲を決めましょう。
5.実行後は、キャッシュフロー表で減収が始まる月を見る
保存してシミュレーションを実行し、結果画面のキャッシュフロー表を開きます。個人ごとの内訳を展開し、プラスマークで収入や支出の内訳を確認。月の金額にカーソルを合わせてクリックすると、月ごとのお金の流れを確認できます。
見たいのは、介護費用の合計だけではありません。給与が減る月、追加支出がある月、貯蓄残高が少なくなる時期を合わせて確認します。複数プランを利用できる場合は、同じ年月で結果を比較してみましょう。
社会保険の加入状況が変わる働き方なら、勤務先で適用条件を確認し、収入側の設定も見直します。ソフトの結果と給与明細・勤務先の案内が合っているかを確認することも、FPと一緒に取り組めるポイントです。
FP-UNIVが大切にしていること
FP-UNIVは、中立な総合ライフプランソフトです。保険・金融・不動産などの商品販売を目的として作られたソフトではなく、税・社会保障制度を踏まえた月ごとのお金の流れから、ご家族に合う選択を考えることを大切にしています。
ライフプランは、ご自身で持ち、暮らしの変化に合わせて育てていけるもの。FPはその見通しを一緒に確かめ、制度や入力の難しい部分を補いながら、相談者が大切にしたい暮らしを支えます。計算にかかる時間を減らし、ご家族の話を聞く時間と提案を考える時間へつなげる。それもFP-UNIVのコンセプトです。
FPと話したいのは、「何を続けたいか」
「半年なら今の貯蓄で対応できそう」「帰省が重なる月だけ工夫したい」「勤務時間を戻す時期はまだ決められない」。数字を見ながら、ご自身の言葉で話してみてください。
期間が読めないときは、半年・1年・2年と複数の条件を置いて、家計への影響を確認する方法もあります。結果を見ながら、勤務先の両立支援や地域の相談窓口、きょうだいとの費用分担などを相談する材料にできます。
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