家賃は会社負担でも、単身赴任でいくら増える?|二重生活費を見える化するFP-UNIV活用術

家賃は会社負担。家計は、いくら増える? 単身赴任の二重生活費を、家族と本人・帰省と準備費・赴任する期間に分けて確認
単身赴任先の家賃が会社負担でも、食費・光熱費・帰省費・家電の準備で家計は変わります。9月公表の物価統計と2年間の数値例から、家族の生活費と本人の支出を分け、FP-UNIVで二つの住まいと赴任期間を確認する方法を紹介します。

FP-UNIV 活用術|単身赴任を選ぶ共働きのご家族へ

家賃は会社が払ってくれる。
それでも、家計の見通しをつくっておきたい。

二つの暮らしにかかるお金を、期間と人ごとに並べてみましょう。

「転勤が決まった。でも、配偶者の仕事や子どもの生活は変えたくない。今回は単身赴任にしようか」。家族それぞれの暮らしを大切にしたいからこそ、離れて暮らす選択に迷うことがあります。

会社の住居支援があると、家賃の心配は軽くなるかもしれません。一方で、食事や光熱費が二か所で必要になり、帰省や家電の準備にもお金がかかります。今日は、夫婦とも仕事を続けながら、2年間の単身赴任を選ぶ家族の家計を考えます。こうした具体的な悩みも、FPに相談してよいテーマです。

9月公表の物価統計を、二つの暮らしの点検に

総務省統計局が2026年9月18日に公表した、全国の2026年8月分の消費者物価指数では、総合指数の前年同月比は1.9%上昇でした。これは8月の全国の物価を前年8月と比べた結果で、10月の家計負担や将来の上昇率を予測した数字ではありません。総務省「消費者物価指数」全国8月分、公表資料(2026年10月11日確認)

消費者物価指数は、家計が購入する財・サービスの価格変動を総合して測る統計です。統計局・指数の説明。単身赴任では、住居の支援だけでなく、赴任先の食事・日用品・電気代を実際の金額で確かめることが役立ちます。全国の指数を、そのまま自分の全支出に当てはめる必要はありません。

家賃の自己負担がゼロでも、2年間で92万円増える例

次の条件を仮定します。実在の相談者の事例ではなく、FP-UNIVで実行した結果でもありません。

  • 赴任期間は2026年11月〜2028年10月の24カ月。
  • 会社が赴任先の家賃を直接全額負担し、本人の家賃支払いは0円。会社支援の条件は継続する前提。
  • 赴任前の家族の生活費は月18万円。赴任中は、家族側が月16万円、本人の赴任先の生活費が月4万円。
  • 本人負担の帰省交通費は毎月1万円。2026年11月に引越し・必要な家電等で20万円を支払う。
  • 元の自宅の住居費や教育費などは変わらず、収入、税・社会保険料も比較上は一定とする。物価変動、運用益、赴任終了時の費用は含めない。
毎月の支出の比較(単位:万円/月)
項目赴任前赴任中
家族側の生活費1816
赴任先の本人の生活費04
帰省交通費01
比較する支出の合計1821

増える支出は21万円−18万円=月3万円。2年間では、3万円×24カ月+初期費用20万円=92万円です。家族側の生活費が2万円下がる前提も含めています。元の18万円に本人の4万円をただ足すと、この減少分を見落とします。

赴任前に毎月7万円を貯蓄できていたなら、この仮定では赴任中の通常月は4万円に。初期費用を払う11月は、4万円−20万円=16万円の取り崩しになります。「毎月は黒字なのに、初月の口座には準備が必要」という見え方です。

金額は仮定を固定した単純計算です。92万円は赴任しない場合との支出差であり、全期間の赤字額ではありません。実際の会社の補助・手当、給与明細、税・社会保険、帰省回数、家族側の支出減少を確認して、ご自身の前提に置き換えてください。

FP-UNIVで、単身赴任をどう入力する?

1.Q4「生活費」で、家族と本人の期間を分ける

夫婦の収入・支出を一緒に考えるプランで、Q4の家族のタブにある「生活費スケジュールを追加」を使い、赴任前と赴任中の生活費を分けます。この例なら、赴任中の家族側は16万円です。続いて、赴任する本人のタブに、同じ24カ月の生活費4万円を設定します。

期間は入力欄の年齢・月に合わせ、本人の生年月日から対応する時期を確認します。帰宅後の生活費も次の期間に設定すれば、赴任中の本人分が帰宅後まで続いてしまうことを防げます。Q4「生活費設定」

2.Q6「住まい」で、自宅と赴任先を同時に扱う

家族の自宅は「メイン居住設定」に残します。併存する単身赴任先を登録する場合は、赴任する本人のタブで賃貸物件と契約期間を設定します。メイン居住設定に赴任先を住み替えの順で並べると、家族の自宅からの住み替えとして扱われるため、二つの住まいを続ける場面では登録場所を分けるのがポイントです。

家賃・初期費用は、誰が実際に払うかを確認して設定します。この例では赴任先家賃の本人負担は0円ですが、一部自己負担がある方は、その支出を家計に含めます。Q6「住まい設定」、賃貸物件の設定

3.帰省費と初期費用を、毎月・一回限りに分ける

毎月の帰省交通費は、本人のQ4に「帰省交通費」として1万円を設定すると、生活費と一緒に確認しやすくなります。交通費はQ7の乗り物・交通費として扱う方法もありますが、同じ費用はどちらか一方に登録します。

引越しや家電の準備20万円は、Q8「ライフイベント」に、2026年11月の一回限りの支出として設定します。Q6の初期費用等に入れた金額があれば、その分を重ねて登録しないようにしましょう。会社の手当が給与に含まれている場合も、別の収入として二重に追加しないよう給与明細と照合します。Q7「乗り物」、Q8「ライフイベント」

4.キャッシュフローで、初月と帰宅後を見る

入力を保存したら、「ライフプラン分析」で結果画面を開き、「実行」で再計算します。保存と再計算は別の操作です。キャッシュフロー表では、家族全体に加え、展開マークから本人の生活費・住居費等の内訳を確認します。金額セルのクリック/タップで月ごとの内訳を開き、赴任開始月の一時費用、通常月の貯蓄、帰宅後に止まる支出を見てください。赴任中の費用が終わっても、戻るための引越費用等があれば別に準備します。詳細キャッシュフロー表

期間や物価が変わったら、プランを育てる

予定が半年延びた場合、この例の追加支出は月3万円×6カ月=18万円。初期費用を再度払わない前提なら、差額は合計110万円になります。期間が未確定なら、2年間と2年半の案を比べるだけでも相談の材料になります。

物価については、生活費を据え置く案と、仮に年2%の上昇を見込む案などを比較できます。2%は検討のための仮定で、今回の統計から将来を予測した数値ではありません。全体の物価上昇率と項目別の上昇率を設定する場合は、意図せず重ねていないかも確認しましょう。

FP-UNIVは、中立な総合ライフプランソフトです。特定の保険・金融・不動産商品の販売を目的とせず、税・社会保障制度を踏まえた月ごとのキャッシュフローで、暮らし全体の選択肢を考えます。単身赴任の家計も、本人だけでなく、残る家族の仕事・教育・住まいとつなげて確認できます。

利用者が自分のライフプランを持ち、暮らしの変化に合わせて育てることを大切にしています。赴任期間や支援の内容が変わったら、その時点の見通しを更新しましょう。計算の時間を減らし、FPが相談者の話を聞き、助言や提案を考える時間をつくる。そのためにFP-UNIVをご活用ください。

「離れて暮らす間も、家族それぞれの生活を大切にしたい」。その思いを出発点に、続けられる家計と、家族に会うための予算を一緒に考えていきましょう。

ニュース・機能確認日:2026年10月11日。物価統計の対象は2026年8月、公表は9月18日です。本記事の金額は仮定の単純計算で、個別の補助や税の取扱いは勤務先の資料等でご確認ください。




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